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サイレント・マニピュレーション

サイレント・マニピュレーション(非観血的関節受動術)とは?

治療の目的

肩関節周囲炎(いわゆる40肩・50肩)や肩腱板損傷などの診断で、内服や関節内注射、リハビリなどの治療を行っても、関節の固さや痛みが完全に改善しないことがあります。

特に関節の固さは長期間にわたり形成されたもので、痛みのために動きを自然と制限していた時期が長かったため、関節の柔軟性が失われ固くなってしまったものです。関節の柔軟性が失われるというのは、肩関節を包んでいる関節包という組織が、長い間動かさなかったために、縮こまって固まってしまい、周りとくっついてしまった状態のことです。
この状態を拘縮肩・凍結肩などと呼びます。

そのような凍結肩に対する新しい治療法として、サイレント・マニピュレーションが考案されました。これまでは入院して全身麻酔下に手術として行っていたものを、片方の腕だけに麻酔をかけることで、入院することなく外来で行う画期的な方法です。片方の腕だけに麻酔をかけることで、意識はそのままで痛みのない状態を作り、固まってしまっている関節を動かして動きの幅を取り戻すことできます。

どんな治療?

  1. まずベッドに横向きに寝ていただき、肩を支配する頚部(首)の神経叢周囲にエコーガイド下で、麻酔薬を注入します。
  2. 肘や肩に感覚がなくなっているか、麻酔の効果を確認します。
  3. 腕をゆっくりと全方向に動かし、固まっている関節包(関節を覆う袋)をはがします。
  4. マニピュレーション(徒手受動術)終了後は、術後の炎症や腫脹予防のため肩関節に麻酔薬を注射します。
  5. 無理に動かしたことによる骨折がないか確認のレントゲン撮影を行い、問題ないことを確認したら終了です。
  6. マニピュレーション(徒手受動術)後、翌日からリハビリテーションを行い、硬くなっている筋肉の柔軟性や可動域(動かすことのできる角度)を向上させます。

治療後のご注意

治療後は、神経ブロックの影響で一時的(概ね6~8時間前後)に腕が動かせなくなるため、お帰りの際は三角巾の着用をいたします。治療当日は車や自転車の運転はできません。
治療後も再拘縮を防ぐために関節を動かすことが必須です。麻酔が切れればご自身で動かすことが可能となりますので、翌日からでも良いので動かすことはしっかりと継続してください。

治療を受ける上での注意点

  • はがされた組織や癒着部位からの内出血が生じます。後日、血腫や青あざが生じることがありますが、自然に吸収されます。
  • 血液をサラサラにするお薬を飲んでいる患者さまは、術前に一時服用をとめていただくか、病状によっては行えない場合もあります。
  • 患者さまの骨が弱い場合には、骨折や脱臼をすることがあります。また病状によっては、行なえないこともあります。
  • 麻酔薬を注入するため6~8時間ほどは、うでがしびれて動きにくいため、運転によるご来院はお控え下さい。
  • サイレントマニピュレーション実施後に、再度肩関節拘縮(固まること)を生じる場合もあります。その際に再度サイレントマニュピレーションを行うこともあります。
  • 初診の方は、まず診察、検査などがあるため、初診当日には行えません。
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